忘れられない人
この人だけは
きっと
ずっと忘れられない人
慣れない仕事を始めた時に
知り合った人だから
その人に
年齢を訊いたら
はっきりしたことは
言わなかったけれど
私より、7歳くらい上の人のようでした
憧れたり
尊敬したりする部分が多々ありました
いつも
彼氏いる?
と冗談めかして
訊いてくる人だったので
私も、冗談としか思えなくて
いつも、そういう対応をしていました
帰りは、その人に送って貰えることが
あって
二人っきりになったことも
あったんですよね
私の配属先が決まって
もう、その人の職場で仕事を
することが
無くなるときだったと
思うんですが
その
最後の日も
送って貰えたんですけど
不意に
その人が
自分のこと
どう思う?
と私に訊いてきたんです
当時
慣れない仕事に追われる毎日で
その言葉が
どういう意味だったのかも分からず
私は
いつも
嫌味言ってきますよね
と
いつもの冗談の会話の続きのような
言葉しか言えませんでした
でも、その言葉を言われる前から
私は、その人に対し好感を持っていたし
その人も、きっと私に好感を持っていたと
今では思うんですよね
配属先に行ってからも
仕事が辛くて
大変だったんですけど
たまたま
研修で一緒になるときがあって
その人に声をかけられたんです
その時は、その人と会わなくなってから
3,4年は経っていたのかな
職場の女の先輩に
その人のことが好きだったことを
話した時
結婚したらしいという情報を耳にしていたんです
久々に再会したとき
思わず私は
結婚したって訊きましたけど
と訊いてしまったんです
その人は
動揺しながら
してないけど、誰から聞いたの?
と逆に聞き返されたんですね
私は、間違った情報だったので
適当に誤魔化しておきました
その話を、女の先輩にすると
想いを告げるべきだと
言われ…
裏ルートを使って住所を調べて
手紙で想いを告げたんですが…
返事は来ませんでした
よくよく考えれば
返事くださいとは書かなかったし
もう、そんな何年も前に知り合って
しばらく会ってない子のことなんて
なんとも思ってるはずもないですよね
でも
今、思い出すと
あの時は、両想いだったんじゃ?
と思うと
逃した魚は大きすぎて
切ない想いに囚われてしまうのです…
あれから、もう10年以上経ってます
でも
今も独り身の私にとっては
忘れられない恋であり
忘れられない人であるのです